【連載|対談】ezorockers YUMI MATSUYAMA~地道な作業だけど、やれば出来るんだって思った

ezorockの『人』に着目したコラム第24回目は、子どもの自然体験活動からezorockに関わり、浜益ベースプロジェクトの礎になったゆーみんです。ezorock20年を振り返る特別企画の第二弾として、活動中のターニングポイントと自身の変化について聞きました。大学卒業後も岐阜県からezorockに関わるゆーみんですが、活動している4年で今に繋がる想いの変化や気づきがあったようです。

PICK UP

✔ 森に関われるサークルを探していたところから
✔ 人の先読みをして行動するって大事なんだなと
✔ 自分で作った場所ってずっと好き
✔ 通い続けないと本当の姿には出会えない
✔ 結局何を言いたいんだろうってすごく考えるようになった

PROFILE

名前:松山由実(まつやまゆみ)
あだ名:ゆーみん
所属:社会人(岐阜県在住)
ezo所属:浜益ベース
出身地:奈良県
特徴:20年前は3歳。幼稚園にいやいや通ってた。

名前:水谷あゆみ(みずたにあゆみ)
あだ名:たに
所属:ezorock
出身地:京都府
特徴:20年前は6歳。一輪車に夢中だった。

森に関われるサークルを探していたところから

た:ゆーみんはどんな風にezorockに参加し始めたんだっけ?
:北海道大学の森林科学科に進学して、森に関われるサークルを探していたのに大学内に無くて。なんでやねん!ってなって、巡り巡ってezorockに出会うっていうのが始まりです。で、森とか里山とかに興味があったから、ボラ旅(ボラ旅北海道・179リレーションズの前身となるプロジェクト)で栗山町の里山保全の活動に行ってた。何回か活動に行ってるうちに、キング(石狩体験キッズチポロで活動していたezorockメンバー)に誘われて、2017年のコープFK*に1日だけ参加して。
:そう考えると、結構長く活動してるよね。
:実は(笑)2017~2018年はチポロやって、2019~2020年は浜益(石狩市浜益区/浜益ベースの活動地域)で活動してって感じですね。

生活協同組合コープさっぽろが主催する「福島の子ども達・北海道へ遊びにいこう!」プログラムezorockでは、2016-2018年に石狩市や栗山町でのプログラムを連携実施した。​

人の先読みをして行動するって大事なんだなと

た:結構長く活動してると思うんだけど、あれはターニングポイントだったなぁっていう出来事とか覚えてることありますか?
:チポロやってる時に、年度初めの時点でてつ(チポロのコーディネーター)が「今年は森のようちえんの現場を12回やるから!」って言ってるのに、チームのメンバーは全然やる気がないっていう時期があって。みんなやる気がないから、誰も現場の整備に行かないっていう時期に、てつとふたりで現場の整備に行きまくるっていう期間があった。今でもめちゃくちゃ覚えているのが、子どもが森で遊べるように草刈りをしていて、てつが草刈り機をやっている間に、私は手鎌で横の枝を刈るみたいな作業をしてた。その時に、草刈り機をやってるてつに「そこにいるとめっちゃ危ないから!」みたいなことを行く度に怒られて、人の先読みをして行動するって大事なんだなってことを学んだ。
:草刈りで(笑)

:そう(笑)その後、何かの活動で森に来たボランティアたちが「ここ楽しい!遊べるよ」って言ってたのが衝撃過ぎた。私がやりたいことってこういう事だったなって思ったし、山に価値をつけるって、こんなに地道な作業だけど、やれば出来るんだって初めて思った。
:やってる時は辛いだけだったけど、森に入った人を見て理解したってことかな。
:1回目に子どもたちが森に遊びに来た時、泣いてたもん(笑)もう、感動しすぎて。1回目のターニングポイントはそこかもしれないですね。

自分で作った場所ってずっと好き

:自分の行動で、何かが変化したことを自分で実感できる機会ってezorockの中にいてもあんまりないよね。ゆーみんは、はまますベース(石狩市浜益区の活動拠点)も全然整備されてないところからの変化を見ているし。結構変化を感じる機会あったんじゃない?
:知らん間にね。やっぱり、ある程度出来たところに入っても思い入れがなかなかつかないけど、自分で作った場所ってずっと好きだろうなって思う。浜益に最初に通い始めた時は、奇跡的に自分も無頓着で「どこでも行けそうやな」って思ってたから。何かがバカになってただけだけど(笑)あと、草刈りしてた時の帰り道とかはてつと私は森が好きっていう話をよくしてた。将来は森とか自然を繋ぐ人になりたいって話していた時に「それはゆーみんがやりたいことなの?それとも社会を変えたいことなの?」って言われたのを覚えてる。そんな大それたこと何にも考えてへんわって思いながら車で帰るっていう。でも、それは未だに自分の中で答えが出ているわけではなくて、自問自答している言葉ですね。

通い続けないと本当の姿には出会えない

た:他に、これポイントだなってことある?
:ふたつある。ひとつ目は、浜益のプロジェクトが出来立てで、考えもなくとりあえず浜益に1か月通い続けます!って言ってた時期に、浜益の文化祭に行ったことがあって。それまでは主に役場の人たちがめちゃくちゃ優しくしてくれていて、浜益に行くだけで喜んでくれるし、景色も綺麗だし、良いところだなくらいの考えだった。高齢化率55%って言ってるけど普通に良いところだなってプラスのことしか見えてなかったんだけど、文化祭には地域の人がたくさん集まるのね。で、バス2台におじいちゃんおばあちゃんが乗せられて、運ばれてきたのを見た時に、浜益の現実を見たというか。浜益って良くも悪くもこういう地域なんだって思った瞬間に、私はここで色々やりたいなと思った。

:それが、浜益への見方が変わったターニングポイントだなって思ってる。浜益で何かをやりたいなと思ったポイントですね。
:その日のことずっと言ってたもんね。
:言ってたっけ?言ってたかも。1回2回活動に行っただけだとパッと見で「いい場所じゃん!」で終わる可能性がめちゃくちゃあって。やっぱり通い続けないと本当の姿には出会わないのかな。だから、もう少しそういうところに目を向ける活動ができたらなって思うよね。そうなると、自然とハードな活動になるのかもしれないけど。

結局何を言いたいんだろうってすごく考えるようになった

た:もうひとつは?
:もうひとつは、GREENDAY(毎年2月に実施しているフォーラム)のミーティングをしている時。私がファシリ(ファシリテーター/会議の進行役)だったんだけど、上手くできなくて参加者を混乱させることをしちゃって、タケシに「お前がこの場を作ったんだ」って言われた。それが、めちゃくちゃ衝撃で、それからファシリの重要性というか場の作り方みたいなことをめちゃくちゃ考えるようになった。
:作り方っていうのは、会議についてのこと?それとも他のことにも通じる?
:人の話を聞くってファシリの力と一緒だから、会議以外でもこの人は結局何を言いたいんだろうっていうのをすごく考えるようになったと思う。
:ezorockをやってて良かったことは?って過去メンバーに聞くと、会議の話が返ってくることが多いんだけど、ターニングポイントは何か聞くとあまり会議の話出てきてないかも。会議は日常になりすぎてるのかもね。
:良い会議をしたからいい現場を作れるかっていうと、それも別だしね。

:では、このあたりで今日話してみてどうでしたか?
:自分ってこういう話を喋れるようになったんだなって感想です。3年前だったら喋れなかったけど、自分が考えて感じたっていうことをちゃんと自分も言えるようになったんだな思ったのと。考えて感じたことってezorockで学んだことなのかなって思った。ほわっとしてるけど。3年前だったら考えられなかったし感じも考えもしなかったなって。

おまけ

:1回目か2回目かの活動の時に。活動場所まで鉄道で行く予定で、札幌駅でチケット買って乗ろうとしたら、持ってた昼ごはんとか駅の改札に置いてきちゃって。活動場所着いたらご飯が無くて、めっちゃ焦ったのを覚えています。
:初回からポンコツエピソード(笑)
:めっちゃ覚えてるな、あれ。めっちゃ焦った(笑)

最後まで読んで頂きありがとうございました。
今後も、ezorock20年を振り返る特別企画を連載していきます。

次回も楽しみにお待ち下さい。
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