【連載|対談】ezorockers KOUTA UTAGAWA ~人見知りの極みみたいな人だった~

ezorockの『人』に着目したコラム第22回目です。今回は“小指の力が異常に強い”ピングーの登場です。この人のいるところ常に珍事ありというピングーが、大学1年から関わってきた旭岳での活動を振り返ってくれました。

PICK UP

✔ 面倒くせーってなってたんだけど、行ってみて大正解
✔ いろいろな人と出会って、刺激になった
✔ 山のことを知らないで来たけど、そういう人でも入りやすい
✔ リーダーの視点がない人にこそ、リーダーを任せる
✔ 全然興味のない活動でも一度顔を出してみて

PROFILE

名前:雅楽川 洸太(うたがわこうた)
あだ名:ピングー
所属:酪農学園大学
ezo所属:大雪山国立公園旭岳自然保護プロジェクト
出身地:北海道北見市
特徴:小学生の時、地元の町民カーリング大会で4位になった

名前:高橋苗七子(たかはしななこ)
あだ名:ななこ
所属:ezorock
出身地:北海道旭川市
特徴:高校生の時、突然ミニ四駆を買いたくなって授業をサボった

 

ちょっと面倒くさかったけど、行ってみて大正解

な:そもそもezorockに関わるきっかけは?
ピ:サークルの先輩が旭岳の活動に関わっていて、「来てみない?」って誘われて。自分は旭岳行ったことがなかったので、参加してみるかっていうのが最初ですね。
な:本当は行きたくなかったんでしょ?(笑)
ピ:誘われたのは5月くらいだったんですよ。でも、実際行くのは9月で、近くなったら面倒くせーってなってなってきたんだけど(笑)、でも個人的には行ってみて大正解でしたね。それがあったから、今の自分があるんで。行ってなかったら、ただ漠然と大学生活を送っていただけだと思いますね。視野が広がることもなかったなぁと思うし。

な:何年生のときに入ったんだっけ?
ピ:1年生。コアスタッフになったのは1年生の2月くらい。来いっていわれて、行った流れで(笑)。
な:じゃあ特別自然の専門でやってるとかいうわけじゃなくて。
ピ:全く。自分は家が農家なんで、大学ではとりあえず農業のことを勉強してたんですけど、旭岳行ってみて、山ってスゲーなって思うようになったっていう感じですかね。

ちょっと雰囲気を悪くしちゃった

な:活動してみて変化とか、印象に残ったことはある?
ピ:自分は人見知りの極みみたいな人だったんだけど、ezorockに入って、本当にいろいろな人間と出会って、それがすげー刺激になって大きな影響があった。あと、活動に参加してくれるボランティアに対して、どうしたら楽しく参加してもらえるかとか、どういうことを学んでもらえるかとか、そういう力をちょっとつけることができたかなと思っています。あとは、チームのリーダーもやらせてもらって、いろいろ失敗とかもあったんだけど、その経験が今の自分にも繋がってるなぁと思って。
な:リーダーとしての失敗って?
ピ:最初はチームのいろんな意見をどうやってまとめたらいいか分からなくて、不機嫌になったこととか結構あったんですよね。「そんな意見要らなんじゃない?」とか言って、ちょっと雰囲気を悪くしちゃったり。リーダーなのに、こうやりたいっていう強い気持ちが全然ないっていうか…。活動に対する愛情はあるんだけど、それをうまく表現できていないっていうか、強く打ち出せる感じじゃなかったから、失敗したって感じかな。
な:話し合いをたたもうとして、雰囲気を悪くしちゃったりしたんだ。でも、それは途中で良くないなって気付いた時、なんかやってみた?

ピ:うん。ちょっと褒めよう。みたいな(笑)。強引にたたんじゃうとへこむだけなんで、「それいいじゃん」って言ってみるとか、相槌とか。そういうのを意識した感じですかね。
な:みんないろんな意見を出してくれるけど、それを本当に実行するためにはいろんな準備とか、それに伴うやる気がなきゃいけなくて、「そんな簡単にできねぇよ」、みたいなことを言ってたことがあったよね、その時期なのかな?
ピ:そうですね。「できねぇよ」みたいな言葉だけで終わっちゃったときがあったり(笑)
な:それはリーダーならではの焦りだったり、見えるものの違いもあってっていうことだよね。

まずは自分たちが行く場所のことを勉強しようって

な:確かに、リーダーが終わってから、みんなの意見を汲もうとしている場面は増えたなぁって思う。あとさ、2週間に1回のミーティングの中でやる勉強会が、ピングーが担当になってから、変わったじゃん。1年分の計画を立てて。
ピ:勉強会に関しては、単純に自分の興味のあることを言う時間になってる時期もあって。それももちろんいい部分もあるんだけど、チームのためにはなってないなって思ったから。あと、回数も少なかった。だからまずは、1年の計画を立てて、とりあえず最低15回はやろうって目標を作った。それから、まずは自分たちが行く場所のことを勉強しようって。今までと別の観点から考えていったって感じですかね。

山のことを知らない人も入ってきて、親近感

な:旭岳チームが出来たのが2012年なんだけど、ピングーは2番目に入ってきたんだよね。
ピ:第2世代…っていわれてるんですよね。
な:ピングーを誘った先輩が第1世代か。その時は1年に2回くらいしかミーティングやってなかったね。ちゃんとやろうってなった最初のメンバーだよね。変化を感じる?
ピ:最初入ったときより、いい意味で騒がしくなった。面白い熱意を持った子が入ってきたりとかして、すごく楽しくなったなって。それから、僕は山のことを知らないで来たんですけど、やっていくうちに僕と同じような人が2人くらい入ってきたんですよ。そういう親近感ある人がいるんだなって。
な:自然保護ってつくと、結構マニアックな人がくることが多いもんね。でもそういう人じゃなくても入りやすいのかな。自然保護って閉ざされてるって言われるからね。そこにピングーみたいな山に行ったこともないっていう人が入って来れるのはいいのかなって思う。

 

リーダー視点のない人にこそリーダーを任せる

な:他にやってみて、これうまくいったなぁってことはある?
ピ:やれてよかったっていうのは、活動毎のリーダー決めのことかなぁ。自分が入ったときは一部の人でずっとまわしてたんですけど。多少強引にでも、できるだけいろんな人にやってもらおうって。結果的に、それはいい刺激になったって思いましたね。
な:1度、大変な回があったんだよね。
ピ:そうですね。コアスタッフがいっぱい参加していたのに、リーダーだけが頑張るみたいな回があって。
な:みんな運営側の視点を持ててなくて、リーダーが「なんなんだよ」ってなってね。それでピングーが提案してきて。結構新鮮だったよ。私もそれまで、メンバーがある程度しっかりしてからリーダーをやったほうがいいんじゃないかって思ってたから。ボランティアだけで何泊も泊まったりするから「この人ならいける」っていう人じゃないと安心して送り出せないって思ってたんだけど。ピングーが、「いや、リーダーの視点がない人にこそ、リーダーをやってもらったほうがいい」って。
ピ:1回リーダーを経験すれば、次は絶対フォローに回れるかなって思って。多少強引にでもやってもらおうかなって。

 

視野を広げれは人は変われる

ピ:ここに入るまでは、大学生活だけじゃなんか満たされない気持ちがあったんですよね。このままでいいのかなってふと思ったりとか。そういうふうに思っている人は、全然興味のない活動でもいいから、今までと系統の違うところに一度顔を出してみて、視野を広げてみたらいいのかなぁって。それで変われるってことを自分が体験したんで。
な:そうだね。きっとどこか馴染む場所があると思うから。まあ、失敗もするかもしれないけど。
ピ:ezorockにはいろんな人が来てて、刺激があるって感じなんですよね。あと、ここ来て自分が変わったなぁって思うのは、本当にしゃべれるようになった(笑)。本当に人見知りで、発言するのが怖いっていう感じだったんですけど。この 3、4年間でしゃべれるようになったなっていうのと、周りを見れるようになったかなって。高校の同窓会のときに、周りの奴から「お前そんなに喋れるの?」って言われたり(笑)。
な:リーダーやってたら周りに話しかけなきゃしょうがないもんね。
ピ:はい(笑)。
な:新しいメンバーが入って来たときに、コアスタッフの印象を聞いたら、ピングーは現場でよく話しかけてくれたって言ってて。たまに、結構年が離れたメンバーが参加することもあるけど、そういう時はよくピングーが話しかけてたって聞いたよ。
ピ:これは申し訳ないですけど、本当のことを言うと変わりたかったんですよね。ボランティアに参加したのも、自分が変われたらいいなっていう思いで突っ走ってきた感じがあったんで。
な:そういえば1年生の時も言ってたね。そこはぶれてないんだ(笑)
ピ:ぶれてないですね。全然かっこよくないですけどね(笑)

おまけ~俺が行くといつも変なことが起こる

な:面白エピソードください。
ピ:いろいろあり過ぎて(笑)
な:毎回事件が起こるよね。
ピ:初めての活動で、キャリーバック持ってロープウェイに乗ったんですけど、チャックが壊れて中身を全部ばらまいちゃって(笑)。その後も活動終わった後に足湯に行ったんですよね、そしたら並んで入ってた友達が立った直後に、自分が座ってた木が折れて、下半身ずぶぬれになったりとか(笑)
な:めっちゃ面白かったね。
ピ:なんかあんま笑わない印象があった小沼さんも、みんな大爆笑してて(笑)
な:私も後から監視員さんに言われたよ。すごい面白い奴が来たって(笑)
ピ:あと、小川を越えようとしたけど、届かなくて落ちたりとか(笑)
な:誰かが、「ジャンプしてたけど全然宙に浮いてなかった」って言ってた(笑)
ピ:あと、そうだ。リーダーになった年にみんなが帽子をプレゼントしてくれて。活動の時に被ってたんですけど、ふと気が抜けたときに風に吹かれて飛んでいっちゃって見つからなくなってしまったっていう(笑)。基本俺が行くと、いつも変なことが起きる…。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
今後もezorockで活動するコアスタッフ達を紹介していきます。

次回も楽しみにお待ち下さい。
そして、ぜひ活動にも参加してみて下さい!

■いま募集中の活動一覧は【コチラ】!

■活動の詳細や参加方法について聞きたい方は【団体説明会】へ!