[RSRオーガニックファーム]終わり、そして新たな始まり

8月13〜15日に行われたRISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO(以下、RSR10)が無事終了しました。
そして、そんな熱もまだ冷めない8月17日(火)、RSR10で捨てられた生ごみの一部を堆肥化し、さらに冬野菜の大根の種をまくために、石狩の畑にやってきました。

みなさんご存知の通り、私たちはRSRで出た生ごみを牛糞と混ぜて堆肥化し、その堆肥から野菜を育てて翌年のRSRの来場者に届けることで、一年がかりの循環を行っています。
生ごみ堆肥化という作業は、その一年の節目となる作業です。

いつもはオーガニックファームチームメンバーの数人で畑作業をしていますが、この日は、RSR10でボランティアコーディネーターをしていた人に加え、当日ボランティアとして参加してくれていた人が7人も畑に来てくれたので、合計20人を超える大人数での作業となりました。

まず始めに、軽トラックに乗って石狩の池端牧場に向かいます。
RSR10で出た10tを超える生ごみは全てこの牧場に運ばれているのです。
牧場では生ごみを牛糞と混ぜてくれているので、その一部を軽トラックでいただきに参ります。

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牧場に着いたら、その牛糞と生ごみの山に圧倒されます。中にはキャベツが丸々一つ混ざっていたりします。RSR10に出店していた飲食店などが業務用で使う予定だったのでしょうか。
山に近づくと牛糞の強烈な匂いが私たちを襲います。匂いに耐えながら大きなフォーク状の道具を使いトラックに載せていきます。
始めは抵抗があったものの、徐々に慣れてくるとみんなでどんどん堆肥をトラックに載せていきます。
トラックに積み終わると、運転中に道路に零れ落ちないようブルーシートで覆い、畑に戻ります。

畑に着いたら今度は、スコップで堆肥をトラックから降ろす作業です。
昨年は大型トラックで運んだため、トラックの荷台が傾き堆肥を地面に落とせたので人の手をかけなくて済みました。
しかし、何ともいえない味気なさを感じたのを覚えています。何でも機械で簡単にできてしまう便利な世の中ですが、私はあえて手間をかけることで作物や堆肥とも向き合い、そこから得られる気付きや育まれる気持ちを大切にしていきたいと考えています。
これから来年の夏に野菜を収穫するまで、長い付き合いとなる生ごみと牛糞を、手間ひまかけてみんなで手作業で降ろします。ここでも相変わらず匂いはきついままです。

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生ごみを降ろせたら、雨で濡れない様に藁をかぶせて終了です。
しかし、このまま半年おけば堆肥ができあがるわけではありません。
これから2週間に1度程度、堆肥を攪拌し空気を混ぜてあげることで、発酵して堆肥化が進むようにしてあげなければなりません。
次回、畑に来るころにはどれほど堆肥化が進んでいるか楽しみです。

最後に、大根の種まきを行います。
もともとじゃがいもが植わっていたところに、今度は冬野菜の大根の種を植えます。
30cm間隔で1つの穴に3粒ずつ植えていきます。
3粒植える理由はピュアホワイト等の作物同様、のちに3つのうち2つを間引きしてより育ちの良い大根だけが育つようにするためです。

RSR10は終わったばかりですが、もう来年の堆肥のための準備は始まり、畑は秋・冬に向けて新たな種・命を受け入れました。
2010年度の生ごみから野菜という1年がかりの循環は幕を閉じ、また新たな循環が始まったのです。

文章:松尾ひかる(ひかる)