[RSRオーガニックファーム]作物栽培の“土”台づくり

4月18日(日)、オーガニックファームチームのれん、もえ、ひかる、ちゅ〜そん、ゆうや、コロンの
6人と、ezorockラジオチームのくま、そして初めて参加してくれた、ヒデ、カズマの合計9人で畑へ行ってきました。

今回の作業は生ごみ堆肥を畑にまくことと、畑の区画をロープで区切ること。
どちらも作物が成長するための「土台」となる大切な作業です。
ちなみにこの畑へ入れる生ごみ堆肥は、去年に行われたRISING SUN ROCK FESTIVAL2009 in EZO(以下RSR09)から出た生ごみを牛ふんと稲わらとを混ぜ合わせて堆肥化した土です。
今気付いたのですが、RSR09が終わった次の週の火曜日「8月18日」からこの生ごみ堆肥化は始まりました。ということは、生ごみがちょうど8か月間経ってやっと畑にかえったということになります。
この8か月間、何もしていなかったわけではなく、堆肥化するために私たちは8月18日から雪が降る
11月まで、2週間に1回、堆肥にまんべんなく空気がいきわたるように、手作業で攪拌(かくはん)し続けました。そして今回、その土がやっと畑へかえることができました。

久しぶりの畑作業。天気はそれほど良くなかったのですが、
自然の中にいると、ホッとできることが嬉しくて、自然と笑顔になってしまいます。

egao3

さて、作業に入っていこう!と思うのですが、今回の畑作業とはいつもとは一味違います。
それは、畑の作業をオーガニックファームチーム以外の人たちとも一緒にやるということ。

オーガニックファームチームができてから今年のRSR10で3年目となります。
この期間の中で私たちは畑というフィールドを通して、「生きているものの循環」や「農業のつらさや重要さ」、そして「食の大切さ」などを実感してきました。
大変だったことも多かったのですが、それからたくさんの大切なことを得て、成長できたと胸を張って言うことができます。
この体験を「チーム以外の方たちとも一緒に続けて行きたい」と思い、1年間で全5回のツアーを企画することにしました。もちろん、ツアーは参加するきっかけです。ですからツアーじゃなくても畑へ行きたいと思う方がいたらぜひ気軽に環境NGO ezorockへ連絡ください!

それでは、畑作業をしていきましょう。
去年の畑は、生ごみ堆肥を畑全面にまいたのですが、今年は畑の北側半分に生ごみ堆肥をまきます。
なぜ全部にまかないのか、そしてなぜ北側なのか。
それは、畑へまく生ごみ堆肥によって、『良い影響を受ける作物』と「受けない作物」があるからです。生ごみ堆肥を入れるということは栄養がたくさん入っているということです。
実は「土の下になる作物」(例えばじゃがいも、にんじんなど)は、養分が多すぎるとおいしくできないのです。ですから畑の半分には「土の下になる作物」を植えるために、生ごみ堆肥をまかなかったのです。

では生ごみ堆肥をまく部分とまかない部分をどうやって決めるか。

それは太陽の位置を考えてみると分かってきます。
太陽は南寄りで東から昇り、西に沈んでいくので、南側に背の高い作物が植えられていると、北側の作物に日が当らなくなってしまいます。そして、背の高い作物は大抵、『土の上になる作物』(例えば、とうきび、とまとなど)です。
以上のことから『土の上になる背の高い作物』が北側、「土の下になる背が低い作物」を南側に植えた方が良いことが分かってきます。
このことをオーガニックファームの畑を貸してくれているはるきちオーガニックファームのオーナー、小林卓也さんから教えてもらったとき、作物の特性など広い視野で考えられる農家がカッコイイと純粋に思いました。

畑の作業としては、まず生ごみ堆肥の上に掛けられている藁を取り除き、その下で眠っていた生ごみ堆肥をねこぐるまに乗せ、畑まで持っていきます。
生ごみ堆肥はまんべんなく広げられ、クワを使って土に入れ込んでいきます。クワを使って耕すことは、いかに力を抜きながら、効率的に行っていくかが勝負です。クワの重さを使って土に刺すので、その部分は力を抜くことができる。
そしてその土に刺さったクワを引く時に力を使い、そのまま上に振り上げる。そしてまた土に刺すという作業を繰り返していきます。

作業をしていたら、なんと土からじゃがいもが出てきました。
去年の収穫時期に収穫されず、そのまま越冬してしまったそのじゃがいもをお昼に食べてみると、とってもとっても甘くて感激しました。
越冬した作物は寒さから身を守るために、でんぷんを糖に変えるそうです。だから、こんなにも甘いじゃがいもができたんですね。

作業の話に戻りますが、最後にボコボコになっている畑の表面を平らにならしたら、「生ごみ堆肥まき」は終了です。

taihimaki

次にやったことは、「区画割り」です。それは、どこにどの作物をまくのかをロープで分かりやすくすることと、作物の根を傷めずに畑に入るための通路を作るために行います。
今回は、ひかる、ヒデ、ゆうの「ひかるチーム」ともえ、くま、カズマ、ちゅ〜そんの「もえチーム」の2つに別れ、いかに早く、きれいにロープをはるか対決しました。
結果は、ひかるチームの勝ちでした。
ちなみにピンとロープが張られていたかどうかが勝敗を分けました。こうやっていかに分業していくのかを実感できることも、畑にいるからこそだと思います。

今回は、畑ツアー1回目ということもあって、初参加者のヒデやカズマには、ぎこちない対応ばかりで困らせてしまい、反省することも多いのですが、
やはり自然の中で8人という仲間と、はるきちさんという頼りにあるアドバーザーと一緒に作業できたことを、嬉しく思います。
だからこそ2年経った今でも私はこのオーガニックファームの畑にいるのでしょう。
2008年からは生きているものの循環を、2009年からは自然があっての農業であるということを、私は学んできました。
2010年。今年は何を実感できるのでしょうか。
たくさんの仲間と一緒に、最高の1年を作っていけたらなと思っています。

文章:福澤萌(もえ)