[RSRオーガニックファーム]“芽”にはさやかに見えねども

5月9日(日)オーガニックファームチームはRISING SUN ROCK FESTIVAL(以下、RSR)の主催者である株式会社WESSの方々と種いも植えを行いました。

私たちオーガニックファームチームでは、毎年RSRの会場内で出た生ごみを堆肥化し、その堆肥を使って石狩にある畑で有機野菜を育て、できた野菜を次年度のRSRの会場で来場者に届けることで食べ物を通した“循環”を伝えています。
その活動を一緒に作りだし、私たちをサポートしてくださっているのが株式会社WESSです。

この日の参加者は、若林さんを筆頭に5人の株式会社WESSのスタッフさんとお子さんのゆうごくん、犬のけんたくんでした。そしてオーガニックファームチームのもえ、れん、ひかる、ゆうや、コロンと環境NGO ezorockの事務局からタケシ、よーへーの14人+1匹でした。
犬のけんたくんは実は畑に来るのは2度目で、畑に子どもと犬がいるのはどこか新鮮でした。
WESSの方々は笑顔が素敵な方々で、いざ畑に行ってみると畑作業や作物についての興味・関心が強く感じられました。土に触れること自体にも新鮮さを感じられていて、一緒に作業をしていて楽しかったです。

この日の石狩は太陽が輝き、広い青空に白い雲がたなびいていました。しかし、畑には強くて冷たい風が吹いていました。
最近は寒い日が続いているので、これからの天候が心配になり、畑をお借りしているはるきちオーガニックファーム代表の小林卓也さん(以下、はるきちさん)に今年の天候についてうかがいました。
するとやはり、今年は春の訪れが遅く、桜の開花が10日ほど遅れていて、畑作業も例年より1週間から10日ほど遅くなるとのことでした。

去年の今頃だと私たちは夏のRSRに向けてマルチ・トンネルづくりをした場所にすいかの種まきを行っていましたが、今年は遅らせることにしました。さて、なぜでしょう?
上でも述べたとおり、天候不順のためでもありますが、私たちが大切にしている“人間の勝手で作物を植えない”ためです。
もちろん夏までにすいかを作りたい気持ちはありますが、作物にはそれぞれ種をまく時期があり、好ましい気温と土壌があります。今の日本では、さまざまな野菜が季節に関係なく市場に並んでいて、「旬」という考えが薄れてきています。
季節に関係なく遠い場所で作った作物が市場に並ぶということは、それだけエネルギーや資源、輸送費がかかるということ。それは本当に自然にとっていいことなのでしょうか?
作物は自然の中で育まれるひとつの命。私たちオーガニックファームチームでは、太陽からのエネルギーを十分に活用して、自然に合わせた有機栽培を心がけています。

さて、今回は前回5月1日の第2回畑ツアー(第2回畑ツアーの様子1第2回畑ツアーの様子2)でこの日のために残しておいた区画に種いもを植えましたが、種いも植えについては前回の記事でひかるがバッチリ書いてくれたので、今回は種いも植えについてはあえて書かないでおきましょう。
ちなみに、前回の種いも植えから1週間が経ちましたが、種いもを植えた区画には目に見える変化はありませんでした。
はるきちさんいわく、芽がでるのは6月上旬とのことでした。目には見えませんが、土の中では確実に種いもから芽が出始め、1ヶ月後には何もない区画に緑があふれる、そんな風に想像すると1ヵ月後がとても楽しみです!

wess2

そして、マルチを張り、トンネルをつくった区画を覗いてみると、トンネルは強い春風に煽られながらも壊れたり、破けたりすることはありませんでした。トンネルの中は湿度と温度が適度に保たれていて、その証拠にトンネルの内側には水滴がたくさんついていました。
ピュアホワイト(とうきび)とスイカを受け入れる準備が着々と進んでいるようです。さらに、RSRオーガニックファームでは、昨年の10月12日(こちら)に植えたにんにくの芽が寒い冬を乗り越えて着実に成長してきています!インターバルカメラを使って成長を撮影したものがこれです。
にんにくの成長の様子動画

これは5月1日から9日までの1週間に撮影したものです。1週間でこんなに成長するのか、という驚きとともに改めて、作物のもつ生命の力を実感しました。
今後は、このにんにくに追肥していく予定です。

今回は特に大きな変化こそ見られませんでしたが、畑が日々着実に変化しているということを実感できた1日でした。
次回、畑に行ったときはどのように変わっているのか今から楽しみです。

文章:吉田侑矢(ゆうや)

[RSRオーガニックファーム]天候とのにらめっこは続く

5月1日(土)、オーガニックファームチームでは第2回畑ツアーとして、「種いも植え」と「ピュアホワイト(とうきび)・すいかのマルチ・トンネル張り」を行いました。
この日の作業に参加したのは、オーガニックファームチームのもえ、れん、ひかる、ちゅ〜そん、ゆうや。環境NGO ezorock(以下、ezorock)事務局のタケシ、やっくん。そしてツアー参加者のさおり、ゆかり、しゅん、きょこたん、チェンの計12名という大人数でした。

ツアーについては伝えたいことがたくさんあるので、今回は前半(種いも植え)と後半(マルチ・トンネル張り)に分けて書いています。
この記事では、いよいよ後半にあたる「ピュアホワイト・すいかのマルチ・トンネル張り」についてのお話です。(前半の種いも植えの様子はこちらをご覧ください。)
午前中は曇りで寒空の下での作業でしたが、後半はうって変わって晴れ晴れとした青空に恵まれました。

さて、マルチ・トンネルとは一体何のことでしょう。
マルチとは写真のように地面を覆う黒いビニールのこと、トンネルとはマルチの上に張られた小さなビニールハウスのようなものです。マルチは地温を高め地面の水分を適度に保持し、トンネルは中の気温を高めます。北海道のような寒冷な気候で、まだ肌寒い春先に栽培を始めるためにこのマルチとトンネルを使うのです。

maruchihari

特にすいかは、定植して88日後あたりに収穫期を迎えます。
私たちは今年、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO(以下、RSR10)の会場にじゃがいも、ピュアホワイト、すいかなどを登場させようと考えています。8月13、14日に行われるRSR10に間に合うように収穫するとしたら、遅くても5月第3週には定植しなければなりません。定植までしっかり地温を温めるためにも、5月1日であるこの日にすいかのマルチ・トンネル張りをすることは重要な作業なのです。

では、まずマルチを地面に張ります。
マルチの端にスコップで土をかけ固定します。そして、ラップのように巻かれたマルチを広げながら、両脇にも順々に土をかけて固定していきます。このとき、マルチをピンと張った状態で土をかけることが大事です。今年は、ピュアホワイトを4列、すいかを1列植える予定です。ピュアホワイトに関しては1つのマルチの両端に種を植えていくので、計3列のマルチを張りました。
それでは、次にトンネル張りです。

トンネル張りではまず、トンネルのビニールを支える青い支柱をマルチの両脇に等間隔でさします。
トンネルの最初と最後の部分の支柱は、2本をクロスさせバッテンの形を作ることで安定させます。ここまで準備ができたらトンネルのビニールを張っていくのですが、この作業がなかなか一筋縄ではいきません。
まずはマルチ同様にトンネルの端に土をかけしっかり固定します。そして、巨大なラップのようなトンネルを二人がかりでしっかり張って、中心がズレないように支柱にかぶせていきます。ここで、この二人がしっかり張らないとトンネルが弛み、風の抵抗を受けやすくなって強い風が吹くと壊れてしまうのです。さらに同時並行で、両脇にいる人たちはビニールに土をかけてしっかり固定していきます。両サイドの進行速度が違うと、中心がずれたり、トンネルがよじれ真っ直ぐきれいに張れません。この日、初めて出会ったツアー参加者同士とオーガニックファームチームメンバーで、お互いに気遣いながら協力して作業を行っていきます。

tunnel

この日は風が強かったこともあり、最初はなかなかうまく張ることができませんでしたが、作業を進めるにつれてそれぞれコツを掴み始め、チームワークも良くなりました。
2つ目と最後のトンネルはきれいに張れたとまでは言えませんが、1つ目に比べ弛みも少なく徐々に改善されたのが分かります。農作業はただの単純作業というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、私たちが生きるために何より必要な食べ物を作り出すことのできる、技術と経験を要するクリエイティブな作業だと私は感じました。

さて、こうしてマルチ・トンネルが張れたのですが、よく見るとトンネルの内側がうっすら曇っていました。太陽の光を受け、早速トンネル内が温められて中の水分が蒸発し、その小さな水滴がトンネルのビニールについていたのです。ピュアホワイトとすいかの命を受け入れる準備が始まりました。今年は例年になく気温が上がらない日々が続きますが、自然には逆らえません。なんとか再来週にはピュアホワイトとすいかの種・苗が植えられるよう暖かくなることを願うのみです。

文章:松尾ひかる(ひかる)

[RSRオーガニックファーム]作物を考えた畑づくり

5月15日(土)にオーガニックファームチームのもえ、ひかるの2人で、3つの畑作業をしてきました。
その作業内容は、「にんにくの追肥」「とまと・さつまいものマルチ張り」「たまねぎの定植」です。実はこの子たちは去年の今頃には無かった、新しい顔ぶれなんです。

オーガニックファームでは、去年のじゃがいも・すいか・ピュアホワイト(とうきび)、大根の4作物から、 なんと「12作物」へと育てる作物を増やしました。ちなみに12作物は、上で出た4作物に加え、とまと・長ねぎ・たまねぎ・さつまいも・にんじん・枝豆・にんにく・大根・白菜です。
ではなぜ今年からこんなにもたくさんの作物を作ることにしたのか、をお答えしましょう。

理由は2つあります。
1つは作物の「旬」というものを実感したいから。
私たちがスーパーへ行った際に店頭で並んでいる作物は価格の上下はあるものの、年中買えるものばかりです。いつでも手に入り便利になったという良い面もあれば、旬という感覚が薄くなってしまった、という悪い面もできてしまいました。

オーガニックファームチームでは、この作物の「旬」ということを自分たちが作ることで実感し、それをみなさんに伝えられたらなと思っています。ですから年間を通じて、旬を実感できる畑づくりがしたかったのです。
12作物植えるもうひとつの理由は、「土づくり」に必要だからです。
私たちはよく、「この作物がほしいから」という理由で作物を作りがちです。しかし、本来あるべき姿は、将来もずっとおいしい作物がとれる畑であるということではないでしょうか。
自分たちが作りたい特定の作物をずっと作り続けることは、その作物に必要となる栄養分だけが無くなった状態の土を作るということです。それをずっと続けたら、その土は痩せこけ、良い土では無くなるでしょう。
空気中の窒素という栄養分を土に入れるために、枝豆。土を深く耕すためにイネ科の作物。土をより良くする工夫がたくさんあります。
土づくりという観点で考えると、もうひとつ考えたことがあります。それは、使える範囲で最大限、有効利用するということです。つまり農薬や化学肥料に頼らないために、作物どうしの相性や特性もしっかり考えるのです。
例えば、ねぎのにおいは虫を寄せ付けにくいので、虫がつきやすいとまとと一緒に植える。じゃがいもは大根と相性が良いので、じゃがいもの後に大根を植える。
こうやって土づくりのことを考え始めると、自然と作物の種類が増えていきます。これが今年12種類の作物を植える理由です。

この12作物を決め、各作物の区画を決めることも初めてのことばかりで、とても苦戦しました。
太陽の方向、作物の性質と他の作物の相性、収量、1年間で必要となる作業、通路など、たくさんのことを考慮しながらああでもない、こうでもないと何度も何度もチームみんなで確認し合いました。
今年のRSRオーガニックファーム畑は、去年よりもさらメンバーにとって、とても思い入れがある畑となりました。

前振りが長くなりましたが、作業についてこれから書いていきます。

まず、にんにくの追肥についてです。にんにくは、去年の10月中旬に、にんにくのりん片を植え越冬した作物なのです が、冬をしっかり耐え抜いたおかげか、春を思いっきり楽しむように青々とした葉を茂らしています。
にんにくの目まぐるしい成長の変化については前回の5月9日(日)に行った畑作業の記事に動画が載せてあるので、作業内容と一緒にぜひご覧ください。
(“芽”にはさやかにみえぬども→コチラ

今回は、このにんにくに肥料を加えてより元気なにんにくができるように環境を整えてあげました。
肥料と簡単に書きましたが、私たちは「オーガニック」ファームチームですので、「化学」肥料は使えません。自然のもので肥料になるもの。「ぼかし」という油カス、米ぬか、鶏糞、魚カス、骨粉などの有機肥料を発酵させたものを使います。
このぼかしをスコップで、にんにくの苗の周りに薄く丁寧にまいて、追肥作業は完了です。
さあ次の作業へ行こう、と思っていたらもうひとつ作業がありました。
それは、ぼかしをかけたその上に籾殻(もみがら)をかけてあげるという作業です。にんにくの周りの雑草をとったことで、地表が乾燥しやすくなることを防ぐために行う作業なのです。ちなみに、このもみがらは、冬に堆肥へと土に返っていきます。
ひかるがこの作業中にボソっと自然に返っていくんやなーと言葉に出したとき、私はスーッと「循環」って言葉が頭に浮かびました。土に戻っていくって大切なんだなと実感できた気がします。

次に行った作業は、前々回の5月1日(土)にも苦戦した「マルチ張り」です。ちなみに前々回は、ピュアホワイト(とうきび)とすいかのマルチ張りでしたが、今回は「とまと・さつまいも」のマルチ張りです。
前回とは比べものにならない人数の少なさですが、2人という人数でも満足できるマルチをつくることができました。作業をしていて感じることなのですが、知らず知らずのうちに作業を「終わらせる」ことをゴールとしてしまいがちです。そういうときはちょっと立ち止まってみましょう。

そもそも何でマルチを張るという作業をするのか?

マルチ張りは、地温を高め地面の水分を適度に保持するために必要な作業です。そしてその作業をする理由は、とまと・さつまいもという「作物が成長しやすい環境を作る」ため。
こう考えると幅が狭かったり、曲がったりしたマルチではいけない。早く終わらせるということは大切だけど、もう一度やり直すのでは意味がありません。なぜその作業があるのか、そしてその作業が出来上がった景色はどんな姿なのか。ちょっとイメージしてみようと思いました。

そして今回最後の作業になりました。たまねぎ定植です。
北海道では雪が降るので、たまねぎの苗は5月中旬に植え、10月中旬ごろに収穫します。
たまねぎを栽培することは初めてで、どう植えていいのか最初は戸惑いました。しかし、とても簡単でした。列と列の間(条間)は40cmで、株間は15cm。
指で穴をあけ、たまねぎの苗をその穴にいれ、土をかぶせてあげるだけで作業は完了。
オーガニックファームのアドバイザー小林卓也さん(以下はるきちさん)と一緒に植えたのですが、ひかるが「これでええんか?」と驚くほど、はるきちさんのたまねぎの植え方は早かったです。たまねぎの生命力はとても強いのだそうです。

作物が12種類となり、苗を植えるのか種を直播き(じかまき)するのか、マルチが必要かどうか、いつまでにどの作業をするのか、などなど考えることがとても増えました。これを考えてなかった、どうしよう。となることも多々あります。
しかし、今回はとまととさつまいもとにんにく、次回はすいかとピュアホワイトなど、毎回作業が違うということはとてもわくわくさせられます。

人の勝手ではなく、作物が育ちやすい環境を一番に考えてあげる。
そうするからこそ、毎回作業が違うのでしょうね。
さて次回はどんな記事になるのでしょうか。次回もお楽しみに。

文章:福澤萌(もえ)